躁うつ病(双極性障害)以前の問題として、精神疾患の問題があります

身体障害者は、疾患部位が明確なので接し方よりも、サポートの範囲は自ずと解ります。
しかし、精神疾患は目に見えない部位だけに、患者本人の様子や言動で判断するしかありません。
躁うつ病の接し方ですから「躁状態」の接し方と「うつ状態」の接し方は、区別されます

精神的重圧の高いうつ状態、精神的爆発性の高い躁状態、最も、本人の言動を見れば
慣れれば、どちらの状態なのか、どのような接し方をすれば良いか、解かって来ます。
ご家族の方も、1度や2度の自殺未遂や暴力で恐れる必要はありません。
私の両親も、最初は怖がってましたが、今や毅然たる態度で臨んできます。

うつ状態の場合の接し方

気をつけることは、自殺です。自殺のサインとして
・自殺をほのめかす
・実際に自傷行為に及ぶ
・別れの用意をする
・過度に危険な行為に及ぶ
・アルコールや薬物乱用が目立つ
・突然の態度の変化

などが、解りやすいでしょう。

また、自殺の危険因子(きっかけ)として
・自殺未遂の経験
・うつ病やアルコール依存症、薬物依存などの精神疾患
・援助組織の欠如(離別や未婚などで周囲のサポートを得られない)
・性別(既遂では男性、未遂では女性が多い)
・年齢(加齢とともに増加)
・喪失体験(経済的な損失や近親者の死亡など)
・事故傾性(安全運転を怠る、無謀な株式投資をするなど)

などが、自殺のきっかけとなりやすいです。

上記の自殺の危険因子と自殺のサインが重なるようであれば
厳重注意をした方が良いです。きっちりとご家族の方は
目を光らせたほうが良いです。

自殺以外では、躁うつ病患者のうつ状態時には、あまり干渉されるのを
極端に嫌います。出来れば1人にしておいて欲しいと思います。
本人は、いずれ、うつ状態が去るのは頭では理解しています。
しかし、そのうつ状態が、生地獄のようで苦しくてつらい次第です。

また、良くある例として、処方薬の過剰摂取(オーバードーズ)があります。
これは癖のようなもので、ODの回路が出来上がったら、なかなか自力では
中断するのは難しく、依存症レベルです。この回避策として、ご家族が
処方薬を管理することです。食事毎に必要分だけ出す、などします。

躁状態の場合の接し方

これ程、やっかいな対処法はありません。何しろ、本人、病識喪失。
説得にも応じず、何かあるとブチ切れやすく、暴力もふるい、暴れる獅子です。
まず、ご本人よりも、ご家族が、1、キャッシュカードの取り上げ
2、必要最初限度の現金しか渡さない、3、異性関係要注意、です。

本人は気分が良いため、ルンルン気分ですが、気分は一発触発状態です。
処方薬のODはあまり聞かないので大丈夫かと思いますが、散財には注意です。
他の患者さんで、躁状態でマンションを買った強者までいますから。

もし、本人に病識がある場合「命令」ではなく「お願い」と言う姿勢で
本人の部屋を、病棟の保護室と同じ環境を創り上げて下さい。音や光などの
刺激物(破傷風の治療室のように)は、一切厳禁です。とにかく安静に。
もちろん、PCなんてもってのほか!ご家族の方は「暴れたら、措置入院!」と
脅しておけば、大人しくするでしょう。措置入院とは、強制入院のことです。

また、危険物一切はすべて隠します。木刀、刃物、ゴルフクラブなど。
これ持ってガラスを割られたり、食器を割られることは、意外と日常茶飯事なので
事前のリスクヘッジが大切です。


これが光の速度か!